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不良債権処理

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  • 2008年10月19日 00:24
  • 雑記

世界各国で金融危機と言われていますが、持論をちょっと紹介。
私見もありますが、ご容赦ください。

livedoor ニュース - 【コラム】 預金超過10年で10倍!から読み解く日本経済の横顔

「2000年以降に預金超過額が増えているのは、いわゆる“小泉改革”によるものです。不良債権処理にともない銀行の融資の審査が厳しくなり、問題のある企業への貸し出しをしなくなりました。結果、銀行の預金から企業への貸し出されるお金がどんどん減っていったんです」

不良債権処理の説明がおかしいですね。
ということで、ちょいと解説。

そもそも、不良債権処理の前から銀行は貸し渋りをしていて、問題のある企業どころか問題のない企業にも融資をしていませんでした。
不良債権処理をすることで銀行は健全化し、問題のない企業には融資されるようになったので、貸し出ししなくなったということではありません。
融資基準の見直しも不良債権処理とは関係なく、バブル時代に無茶な融資をしてきた反省から改善されたものです。

小泉改革というと、郵政のイメージが強いですし、格差を生み出したという悪い評価もあるのですが、不良債権処理はバブル崩壊から立ち直ることができた政策だったと私は評価しています。
それまでの政権ではバラマキ型が多く、おかげで訳の分からないハコモノがいっぱい作られた訳ですが、小泉政権は不況の原因を銀行と断定し、不良債権問題に踏み込みました。

銀行は国内業務を行うために4%、海外業務を行うために8%の自己資本比率が無ければなりません。
不良債権を処理すると自己資本比率が下がるため、銀行は処理できないでいました。
また、自己資本比率を下げないために、貸し渋り・貸しはがしを行ったため、倒産が相次ぎました。
でもこれだけだと銀行の利益にはなりませんので、国債を大量に購入しています。国債は自己資本に含まれますから、自己資本比率を下げないからです。
これがバブル後の不景気の原因と言われています。

竹中大臣が行ったのは、不良債権を確定させ、切り離しや放棄をさせたことです。
しかし、問題になるのは自己資本比率が下がるということで、公的資金を投入して自己資本をカバーしました。
こうした改善から、銀行が立ち直り、本来の業務である融資をできるようになったため景気が回復したということです。


さて、アメリカでサブプライムローンによって引き起こされたバブル崩壊もトリガーは日本とよく似ています。
ただ、日本の場合はリゾート目的だとかが中心で、どちらかというと裕福層が中心だったのに対し、アメリカでは貧困層向け住宅が中心だったため、不良債権の量は相当の額になっていそうな気がします。
サブプライムローンの債権は様々な形に変えられ、世界中にばら撒かれたため、世界中で不良債権が発生していることも事態を深刻化させています。

ニュースを見ていて面白いなと思うのは、サブプライムローン問題→リーマンショック→金融危機といった感じで名前が変わってきていることです。
名前が変わる度に問題の本質に近づいている訳でして、各国が日本の不良債権処理を参考にしているようです。

日本は不良債権処理が遅れたために10年以上の不況を経験しました。
諸説いろいろありますが、私的には日本企業は銀行に依存していることから、もう少し早く処理すべきだったと考えています。
ただ、不良債権処理に政府が介入しなかったことで、金融機関の淘汰・合併が進んだことも事実でして、一概に早く処理すれば良かったかというと難しいところです。
公的資金を投入して強制的に処理できたのも、銀行の合併が進んでいたからという見方もできるからです。

アメリカでは日本の教訓を生かし、早期に不良債権処理をすべきという意見が強いようです。
ドルが世界の基軸通貨という立場もありますので焦っているのかもしれませんし、大統領選挙を控えてのことなのかもしれません。

一方でFRB前議長のグリーンスパンは、サブプライムローン破綻を半年も前に気づいていながら、「それは市場が解決する問題」だとして手をつけなかったという話を聞いたことがあります。
また、AIGは保護するけどリーマンは見捨てるという判断も、真相は分かりませんが、ある程度の淘汰・合併を望んでいるのかもしれません。
公的資金の投入についても、日本は税金=年貢なのに対し、アメリカでは寄付に近い感覚があり、反発もあるかもしれません。

このような状況を総合的に見ても、かなりのスピードで不良債権処理を進めている感があります。
サブプライムローン問題が表面化したとき、5年は掛かるかな?と思ったのですが、3年で解決しそうな勢いです。

さすがはアメリカとなるか、急ぎすぎて失敗するか、どちらもありそうなので、今後も注目していきたいところです。

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